
更新日:2025年3月13日
ヘッドライフ代表・ヘッドマッサージ専門家の江口です。
今回のブログは、ヘッドマッサージサロン経営についてです。
「当店はリピート率○○%です!」
サロンのSNSやホームページ、チラシなどで、こんなキャッチコピーを目にしたことはありませんか?
実は、多くのリラクゼーションサロンが、この「リピート率」という言葉を誤って使っています。
「リピート率」と「リピーター率」は異なる指標であり、それを正しく理解しないと、お客様に誤解を与えたり、誇大広告と捉えられるリスクさえあります。
そこで今回は、「リピート率」と「リピーター率」の違いを分かりやすく解説し、ヘッドマッサージサロン経営にどのように活かすべきかをお伝えします!
「リピート率」と「リピーター率」はまったくの別物!
全国的にヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)サロンが増えました。
そんな中、ライバル店の「当サロンはリピート率95%!」の広告を目にすると、「このサロンはほとんどのお客様が何度も通っているんだ!」と思いませんか?
「きっと凄腕のヘッドセラピストなんだろう」と思いませんか?
でも、これを間違った計算方法で出しているサロンが意外と多いです。
例えば、次のようなケースです。
「今月100人のお客様が来店しました。そのうち95人がリピーター様です。当店のリピート率は95%です!」
この言い方だと、「すごい!本当に人気のサロンなんだ!」と感じますよね?
しかしこれは、「リピート率」ではなく「リピーター率」の間違いです。
では、「リピート率」と「リピーター率」は何が違うのか?
まったくの別物なので正しく理解しましょう!
サロンのリピート率とは?
リピート率とは、新規のお客様が、どのくらいの割合でリピート来店したかを表す指標のことです。
1カ月以内のリピート率、2カ月以内のリピート率、3カ月以内のリピート率など、期間を決めて算出します。
サロンの場合、毎月利用するお客様より、3カ月以内に1度ご来店にされるお客様の方が多いのが一般的です。
したがって、1カ月以内のリピート率より、3カ月以内のリピート率の方がパーセンテージは高くなります。
リピーター率とは?
リピーター率とは、特定の期間に、リピーターがどのくらいの割合で来店しているかを表す指標のことです。
<例>3カ月間のリピーター率の計算方法
- 3カ月間の全来店数を集計→100名(同一人物を含む)
- リピート来店した人数を集計→70名(同一人物を含む)
- 70名÷ 100名=0.7
- 0.7× 100 =70%
3ヶ月間に来店したお客様が100名で、そのうちリピーター客が70名だった場合、リピーター率は70÷100×100=70%となります。
リピーター率もリピート率と同様に、期間を長くすると割合が高くなります。
サロン経営:リピート率とリピーター率を高める方法
サロン経営を安定させる方法は、新規客をいかにリピートさせるか、そしてリピート頻度をどのように高めるかにあります。
リピート率を上げるためには、新規顧客をリピーター化させていく施策が必要です。
リピーター率を上げるには、リピーターの来店頻度をアップをさせる施策が必要です。
ここでは、サロン経営のヒントとして、マッサージ・エステ・整体・整骨院などで行っている施策をご紹介します。
1. 施術の質を向上させる
- 根拠に基づいた技術を習得し、効果を実感できる施術を提供する
- 施術の前後で変化を実感できるように説明を行う
- 施術の流れや手技に一貫性を持たせ、顧客に安心感を与える
2. 初回の印象を良くする
3. アフターフォローを徹底する
- 施術後にストレッチやセルフケアのアドバイスを提供する
- LINEやメールで施術後のフォローアップメッセージを送る
- お客様の体の変化を記録し、次回来店時にフィードバックを行う
4. 予約を取りやすくする
- 施術後に次回予約を促す(リピーター特典をつけると効果的)
- LINEやオンライン予約システムを活用し、予約の手間を減らす
- キャンセル待ちリストを作成し、空きが出た際に案内する
5. 料金・回数券・メニューの工夫
- リピートしやすい回数券・サブスクリプションプランを導入する
- お客様の悩みに合わせたコースを提案し、継続の必要性を伝える
- 通常料金との差額を明確にし、回数券のメリットを説明する
6. 顧客との関係性を築く
- お客様の名前や施術履歴を覚え、特別感を演出する
- 季節ごとの体調管理アドバイスや施術の提案を行う
- お誕生日や記念日に特典やメッセージを送る
7. 他店との差別化を図る
8. 店内環境と接客を改善する
- 清潔でリラックスできる空間作りを徹底する
- スタッフ全員が統一した接客マナーを身につける
- お客様がリラックスできるよう、細やかな気配りをする
9. SNS・口コミを活用する
- 施術のビフォーアフターを投稿し、効果を伝える
- お客様の声(口コミ)を公式サイトやSNSで紹介する
- 口コミを書いてくれたお客様に特典を用意する
10. 紹介制度を活用する
- 既存顧客が新規顧客を紹介すると特典を得られる仕組みを作る
- 家族や友人と一緒に来店できるペア割を導入する
- 「紹介者・紹介された人」両方にメリットがある制度にする
上記の内容は一般的なものですが、ヘッドマッサージサロン独自の方法を見つけ出すことが、経営者としての課題となります。
ヘッドマッサージサロン経営におけるリピート率アップ方法

ヘッドマッサージサロン(専門店)には、頭や目が疲れている方が多くご来店されますが、中には、どこも疲れていないと「癒し体験」だけを求めてお越しになる方もいます。
頭ほぐし専門店atamaの場合は、【 疲れ:癒し=8:2 】くらいの割合で、癒し体験より疲れや悩みを改善してほしいといったご要望が多いです。
疲れや身体の悩みの場合は、「何とかしてほしい」と来店目的が明確なため、毎週お越しになる方が増えます。
そのため、リピート率がアップして、おのずとリピーター率もアップします。
しかし癒し体験をメインにしていると、ご褒美感覚の方が増えるため、来店頻度は高くなりません。
このような経験から、ヘッドマッサージサロン(専門店)のリピート率アップ方法は、癒し体験よりお悩み解消に軸足を置くことだと私は感じています。
癒しのリラクゼーションとするより、自律神経・ホルモンバランスの乱れをサポートするヘッドマッサージは、リピート率、リピーター率がアップする傾向があるため【結果追求型ヘッドマッサージ】を目指していただきたいです。
リピート率ではなく「顧客満足度」を公表する
私が頭ほぐし専門店atamaを開業した時は、大阪には当店ももう一軒しかヘッドマッサージ専門店はありませんでした。
全国的にも4件ほどしかなかったと記憶しています。
そのため、広告を出すと「珍しいから来ました」と興味本位でお越しになる方や、リラクゼーション、エステ、整体などの同業者がお越しになるため、リピート率は高くなりません。
これをお読みのヘッドマッサージ資格講座の卒業生にも言えますが、「リピート率が低くて、公表すると印象が悪くなりそう…」と感じる場合は、顧客満足度の調査結果を公表するのがおすすめです。
ただし、リピーターではなく、新規のお客様を対象に調査しましょう。
リピーターに満足度調査をすると、当然ながら高評価になりやすいからです。
しかし、本当に改善すべきなのは「新規のお客様が満足できているか?」という部分です。
もし満足度が低ければ、改善点を見つけるチャンス!
逆に高ければ、「ご新規様の満足度○○%!」と自信を持ってアピールできます。
まとめ :「リピート率」と「リピーター率」の違いを正しく理解しよう!
ヘッドマッサージサロン経営において、「リピート率」と「リピーター率」の違いを正しく理解することは非常に重要です。
これらの指標を正しく活用しないと、お客様に誤解を与えるだけでなく、サロンの経営戦略にも悪影響を及ぼす可能性があります。
「リピート率」は、新規顧客の定着率を測る上で非常に重要なデータとなります。
「リピーター率」は、既存顧客の来店頻度を把握し、サロンのファン層の厚さを測るのに役立ちます。
リピート率を上げるためには、新規顧客に「また来たい」と思ってもらう施策が必要です。
一方、リピーター率を上げるためには、既存顧客が継続的に来店する仕組みを作ることが重要です。
サロンの持続的な成長のためには、どちらの指標もバランスよく向上させることが鍵となります。
「リピート率」と「リピーター率」の違いを正しく理解し、経営に活かしましょう!

この記事の執筆者
江口征次
ドライヘッドスパ・ヘッドマッサージの専門家
Head Life(ヘッドライフ)代表
一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会 理事長
株式会社ヘッドクリック 代表取締役
頭ほぐし専門店atama代表
ヘッドスパ専門店atama代表
【商品】
・日本初、ヘッドマッサージ施術用枕の販売
・日本初、業務用ヘッドマッサージオイルの販売
【登録商標】
・頭ほぐし専門店atama 登録5576269
・頭ほぐし整体院 登録5977517
・骨相セラピー 登録5790990
ドライヘッドスパ・ヘッドマッサージの専門家として、2010年よりヘッドセラピスト養成講座を開始し、日本全国、海外からも受講がある人気ヘッドマッサージ資格講座を主催している。サロン経営の経験を活かしてコンサルティングも行っています。
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