いつもヘッドライフ通信を読んでいただきありがとうございます。
ヘッドマッサージ資格講座、福岡担当講師の森脇です。
今回のブログは以前「あなたは大丈夫?『短絡的思考』の落とし穴」のタイトルで配信した内容を「セラピストが学びを深める思考法」として再調整いたしました。
どうぞ最後までお付き合いください。
※このブログは3分で読めます
今までスクール講師、現役セラピストとして活動してきて思うことがあります。
それは、資格講座の生徒さん(スクール卒業生含む)でも、サロンに来店されるお客様の中でも、短絡的な答えを求めてくる人は少なくないように感じます。
たんらく‐てき【短絡的】
物事の本質や筋道を深く考えずに、原因と結果などを性急に結びつけてしまうさま。 「短絡的な考え方を戒める など
例えば、
『ヘッドマッサージの効果は○○○です』
『肩こりの人には○○○をするといいです』
『腰痛の原因は○○○です』
というように、何事にも“白か黒か”で考えてしまう思考傾向が垣間見えます。
当然、返ってくる答えも“白か黒か”でないとモヤモヤする傾向があるようです。
ということで今回のブログは、
・何事にも“白か黒か”で考える習慣がある
・受講後の勉強のコツを知りたい
・情報が多すぎて混乱してしまう
といった方に向けた内容になっています。
資格講座でもお伝えしていますが、上記のように『短絡的な思考』や『短絡的な答え』を欲しがるということは、ヘッドマッサージ講座を受講後(或いは資格試験合格後)、自分で学びを重ねていくには少し注意が必要だと思っています。
特にこれから個人サロンを開業して、お客様の健康をサポートする側に立つ方は要注意です。
細かい理由は後述しますが、先ずはもっと大切なことがあることを知ってほしいです。
それは、『自分自身で思考する力をもつ』ということです。
ヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)を指導するスクール講師という立場上、 「自分で考えなさい」なんていうと、なんだか業務放棄したような感じに聞こえてしまうかもしれません。
しかし、自分自身で思考する力をもつことは、さらに深い学びを得ることに繋がります。
逆に、短絡的な思考であることは、その学びのチャンスを逃しているともいえます。
人間が短絡的な思考に陥りやすい理由には、脳科学や心理学的な要因がいくつかあります。
脳には「報酬系」と呼ばれるシステムがあり、特にドーパミンが関与します。
ドーパミンは報酬を得るときなど、快楽を感じる時に分泌されます。
そのため、長期的な利益を考えるよりも、短期的に得られる満足感や快楽にフォーカスしてしまう傾向が生まれます。
人間の脳は複雑な情報を処理するのが苦手なため「ヒューリスティックス」とよばれる思考法で短絡的な答えを出す傾向があります。
ヒューリスティックスは、必ずしも正解ではないが、今までの経験や先入観によって直感的に答えを導きます。
「バイアスがかかる」とも言いますが、表面的な判断をしがちです。
行動心理学では、人間の自己コントロールには限界があるといわれています。
長期的な目標達成のために自己コントロールを強いると、意志力が消耗されます。
これにより「すぐに答えを求める」ようになり、短絡的な決断をしてしまいます。
ヘッドマッサージ関連の勉強をしていると、全く同じテーマで内容が異なる資料を見ることがあります。
例えば、ヘッドマッサージ講座でもお馴染みの「セロトニン」。
セロトニンに関する情報は、本やネットなど、あらゆる媒体で得ることができます。
専門書でなくても、脳や腸、自律神経に関する本でも度々目にします。
※当スクールでも、ヘッドマッサージ講座以外の講座で「セロトニン」は登場します。
しかし資料によっては、同じセロトニンというテーマであるにもかかわらず、情報がそれぞれ違うことがあります。
これは、著者や監修者の見解の違いや、脳や腸などのメインとなるテーマが何かなどで生じます。
これは悪いことではなく、むしろ自分の見聞や思考の視点を広めるきっかけになります。
それでは、自分自身で思考する力がないとどんな状況に陥ってしまうのか、実際に書かれているセロトニンについての情報を見ながらお伝えします。
・脳と腸のセロトニンの役割は同じである
・脳と腸のセロトニンは全くの別物である
・腸のセロトニンはセロトニンの材料であり、脳のセロトニンこそ本当のセロトニンである
などなど。
他にも様々な見解があります。
このように、情報が複数ある場合、自分自身で思考する力がなければ、
「あの本ではこう書いてあったのに」、
「先生はこう言っていたのに」、
「どっちが正解なの?」
とあたふた、右往左往してしまいます。
そんなセラピストに自分の身体のケアを任せたいと思うでしょうか?
前章で「とくにこれから個人サロンを開業して、お客様の健康をサポートする側に立つ方は要注意」と言ったのは、このためです。
情報過多ともいわれる現代おいては、情報に振り回されないために、常に自分で考えるという作業が必要です。
情報の最後には、なにかしらの答えが明言されていますが、本当に大切なのは、その答えに行きつくまでのプロセスを観察することで、明言されていることは、あくまでも一例にすぎません。
先日、ヘッドマッサージ講座を受講後、資格試験に向けて奮闘されている生徒さんから、
「ヘッドマッサージの練習相手になってくれていた友達から、“お通じが良くなった”と言われたのですが、これはヘッドマッサージの効果と関連がありますか?」
という質問をいただきました。
あなたは答えることができるでしょうか。
『ヘッドマッサージにはお通じ改善の効果がある』 という答えだけを得て満足してしまえば、恐らく答えられないと思います。
そのプロセスや関連性などを『自分自身で思考する力』がある人であれば答えることができます。
ヘッドマッサージの講師、現役セラピストの経験上、 前述した通り、短絡的な思考は学びを止めてしまいます。
それでも、情報が多すぎて混乱する人は、『自分にしっくりくる情報』を選ぶといいと思います。
洋服と同じで、 お気に入りで長く着ているものは、流行りものでもブランド品でもなく、“しっくり” くるもののはずです。
ヘッドマッサージ講座では生徒さんにとって有益な情報や知識を発信していますが、まずはしっくりくる情報から着手して、関連する知識を深めていくといいと思います。
そうすると、わからなかったことでも、ある日突然パズルのピースがはまるみたいに、理解できるようになったりすることがあります。
そんな風に学びを楽しむことが、何よりも大切と考えています。
焦らずに、自分なりの答えを見出しましょう(^_^)
最後に余談ですが、 日本人は欧米諸国の人と比べて、国民の70%以上の人がメディアの情報に影響されやすいそうです。
昔、『伊藤家の食卓』という番組で、“舞茸ダイエットが効果的”といわれて、次の日スーパーに行ったら舞茸が完売していたことありました。
最近だと“トイレットペーパーがなくなるぞ”とか、“マスク不足に陥るぞ”というデマに随分と踊らされていました。
“情報に忠実”と言えば聞こえはいいですが、真面目な国民性が裏目に出ていることは少なくないように思ってしまいます(^-^;
最後まで読んでいただきありがとうございます。
また次のコラムでお会いしましょう。
このメルマガは2021年8月24日に配信しました。
更新日2024年11月15日
森脇 ゆう
福岡代表講師
NPO法人日本ストレッチング協会
認定ストレッチングインストラクター
日本成人病予防協会認定
生活リズムアドバイザー
健康リズムカウンセラー
福岡市内で暮らしている2児のパパです。建築業界から、自身の腰痛をきっかけに施術業界に転向しました。以後、自身の経験から“お客様の生活に寄り添う施術”をモットーに活動しています。
セミナー講師としては、“生徒さんの学ぶ気持ちに寄り添う指導”をモットーとしています。