ヘッドライフ代表、ヘッドマッサージ専門家の江口です。
近年、大人のADHD(注意欠如・多動症)と診断される人が増えています。
その背景には、デジタルメディアの過剰使用による脳への影響や、診断の認知度向上が関係していると言われています。
集中力の低下やストレスの蓄積、睡眠の質の低下など、ADHDの特性によって日常生活に支障を感じる方も少なくありません。
ヘッドマッサージは、こうしたADHDの方々にどのようなサポートができるのでしょうか?
直接的な治療にはなりませんが、ストレスの軽減や自律神経の調整、睡眠の質向上など、心と体のバランスを整える手助けができます。
特に、スマートフォンやPCに長時間向き合うことが多い現代において、ヘッドマッサージの「脳を休める効果」は、ADHDの方にとって重要な役割を果たすかもしれません。
本コラムでは、大人のADHDの現状とその影響、そしてヘッドマッサージが提供できるサポートについて詳しく解説していきます。
ヘッドセラピストとしての役割や、家族・友人としてのサポートのあり方についても考えていきましょう。
ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder、注意欠如・多動症)は、発達障害の一種で、主に 注意の持続が難しい(不注意)、落ち着きがない(多動)、衝動的な行動をとる(衝動性) という特徴を持つ神経発達症です。
ADHDの正確な原因は解明されていませんが、脳の神経伝達物質(ドーパミン・ノルアドレナリン)の働きの違いや遺伝的要因が関係していると考えられています。
私たちヘッドセラピストは、癒しの科学としてセロトニンやオキシトシン、そして睡眠に関するメラトニンなど癒しの科学を学びますが、ヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)が、こういった方々のサポートになることはあるのでしょうか?
ヘッドマッサージサロンには、様々な悩みをもったお客様がお越しになります。
医療機関でADHDの診断を受けている人もそうです。
また診断は受けていなくてもADHDの症状をもったお客様がお越しになることも十分にあり得ます。
以下にADHDの主な特徴をご紹介します。
ADHDの症状は大きく3つのタイプに分類されます。
① 不注意(注意欠如)
・集中力が続かず、物事を最後までやり遂げるのが難しい
・忘れ物や失くし物が多い
・指示や約束を忘れてしまう
・予定や時間の管理が苦手
・興味のあることには没頭できるが、興味がないことは続けられない
② 多動(落ち着きのなさ)
・じっとしているのが苦手(椅子に座っていても体を動かす)
・しゃべり続ける、静かにするのが難しい
・手や足を常に動かしてしまう
・待つのが苦手
③ 衝動性
・思いついたことをすぐに行動に移してしまう
・順番を待つのが苦手
・他人の話を遮ってしまう
・感情のコントロールが難しく、カッとなりやすい
ADHDのポジティブな側面
・発想力が豊か(新しいアイデアを生み出すのが得意)
・エネルギッシュで行動力がある
・好奇心が旺盛で、新しいことにチャレンジしやすい
・危機的状況でも瞬時に対応できる
・興味のあることには高い集中力を発揮できる(ハイパーフォーカス)
近年、大人(成人)のADHDが増えているようです。
それは何故でしょうか?
その背景や特徴を以下にまとめました。
1. 大人のADHDの増加
2. ADHDの特性と診断の遅れ
3. デジタルメディアの影響
4. 成人期のADHDの症状と対処
5. ADHDの強みと適応
<参考記事>
増える大人のADHD、ネットのやりすぎによる「後天性」の恐れ | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト
現代社会では、ADHDと診断される大人が増えており、その背景にはデジタルメディアの過剰使用が関係していると考えられています。
こうした中、ヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)がどのような役割を果たせるのかを考えてみましょう。
1. リラクゼーションと自律神経の安定
ADHDの人は集中力の欠如や衝動性によって、ストレスを感じやすい傾向があります。ヘッドマッサージは副交感神経を優位にし、リラックスを促すため、精神的な安定に寄与できます。
2. 睡眠の質を向上
ADHDの人は睡眠障害を抱えていることが多く、睡眠不足が症状を悪化させることもあります。ヘッドマッサージによって深いリラクゼーション状態へ導くことで、睡眠の質を改善するサポートができます。
3. デジタルデトックスのきっかけ作り
ADHDの症状悪化に関与するスマートフォンやPCの過剰使用を見直すきっかけとして、ヘッドマッサージの時間を活用できます。セッション中に「画面から離れる時間」を持つことで、脳をリセットする機会となります。
4. 心と体のつながりを意識させる
ADHDの人は注意が散漫になりがちですが、ヘッドマッサージを受けることで「今、この瞬間」に集中することを体験できます。これはマインドフルネス的な効果をもたらし、自己認識を高める手助けになります。
1. ADHDの治療や診断の代替にはならない
ADHDは神経発達障害であり、医学的な診断と治療が必要です。
ヘッドマッサージはあくまでリラクゼーションの一環であり、根本的な治療にはなりません。
2. 長期的な症状の管理
ADHDの人は継続的な支援が必要となります。
ヘッドマッサージの単体で解決や管理を図るのではなく、セロ活を取り入れて睡眠の質を高めるなど、日常生活の管理が必要です。
時々、サロンに通う程度であれば、困難を根本的に解決することは難しいかもしれません。
1. ADHDへの理解を深める
ADHDの特性を理解し、クライアントが抱える悩みやストレスに寄り添うことが重要です。「気が散りやすい」「忘れっぽい」といった行動も、責めるのではなく、その特性として受け入れる姿勢が求められます。
2. ストレス軽減の場を提供する
ADHDの人は感覚が過敏なこともあり、環境の影響を強く受けます。施術を行う際は、落ち着いた空間を作り、音や照明にも配慮すると良いでしょう。
3. デジタルメディアとの付き合い方を考えるきっかけを提供
「スマホを手放す時間を作ると、頭がスッキリする」と実感できれば、デジタル依存を見直すきっかけになるかもしれません。ヘッドセラピストとして、クライアントのライフスタイルを考えるヒントを伝えることもできます。
1. 否定せず、寄り添う姿勢を持つ
ADHDの人は「怠けている」と誤解されがちですが、本人は努力しても難しいことが多いのです。できないことを責めるのではなく、できることを一緒に探していく姿勢が大切です。
2. 休息の重要性を伝える
「休むことが悪いことではない」と伝えることで、自己否定感を減らし、適度なリラックスを促すことができます。
3. ヘッドマッサージを日常に取り入れる
家庭内で簡単なヘッドマッサージを取り入れることで、リラックスの時間を共有できます。短時間でもよいので、習慣にすることで心の安定につながるでしょう。
ヘッドマッサージはADHDの直接的な治療にはなりませんが、リラクゼーションやストレス軽減、デジタルデトックスのサポートとして活用できます。
ヘッドセラピストとして、ADHDの人が落ち着ける時間を提供し、彼らの特性を理解しながら寄り添うことが大切です。
また、家族や友人としては、否定せずサポートしながら、日常の中に小さなリラックスの時間を取り入れることが有効です。
ADHDの人が自分の強みを活かし、充実した人生を送るために、ヘッドマッサージがひとつのサポート手段として活用されることを願っています。
作成日
2025年2月18日
江口征次
ドライヘッドスパ・ヘッドマッサージの専門家
Head Life(ヘッドライフ)代表
株式会社ヘッドクリック 代表取締役
頭ほぐし専門店atama代表
ヘッドスパ専門店atama代表
【商品】
・日本初、ヘッドマッサージ施術用枕の販売
・日本初、業務用ヘッドマッサージオイルの販売
【登録商標】
・頭ほぐし専門店atama 登録5576269
・頭ほぐし整体院 登録5977517
・骨相セラピー 登録5790990
ドライヘッドスパ・ヘッドマッサージの専門家として、2010年よりヘッドセラピスト養成講座を開始し、日本全国、海外からも受講がある人気ヘッドマッサージ資格講座を主催している。
【登録商標】
頭ほぐし専門店atama 登録5576269
頭ほぐし整体院 登録5977517
骨相セラピー 登録5790990
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