価格設定と「時間単価」を考える

ヘッドマッサージの専門家・スクール代表 江口征次
ヘッドマッサージの専門家・スクール代表 江口征次

ヘッドライフ通信をお読みいただき誠にありがとうございます。 ヘッドマッサージの専門家・スクール代表の江口です。

 

今回は、価格設定と「時間単価」について考えてみました。これからサロン開業する方は、ぜひ、参考にしてください。

 

2回目のリピートをしてくれない

 

当協会の卒業生でとても真面目で優しい30代の女性がいます。

 

ある時、サロン集客とリピーター獲得がむずかしいとご相談がありました。

 

お話を聞くと、副業としてレンタルサロンでたまに営業している程度です。

 

実際のチラシを見せていただくと、デザイン、写真がとてもよく、サロン名は伏せますが、サロンのイメージ・コンセプトもはっきりした素晴らしいチラシでした。

 

ただただ、お客さんが来ない。来てもリピートしない。ということです。

 

技術がない、ヘッドマッサージが下手という訳ではありません。

サロンの宣伝

 

 

一般的に、サロン集客ができない1番の原因は、宣伝不足と言われています。

 

要するにあなたがサロンをしていること自体が世間に認知されていないのです。

 

今回、それは置いておいて、リピーター獲得について 1点、気になった部分があります。

 

それは、価格設定です。

 

ヘッドマッサージ60分コース、通常価格6,000円を初回限定1,500円にしているのです。

 

優しい性格なので、お金をいただくことを恐縮してか(自信がないのか)60分1,500円にされたのですが、さすがに、安過ぎはないですか?

 

確かに、初回は思い切って安くして、2回目以降に利益を出すという考え方はあります。

 

1,500円だと、間違いなく「お値段以上」のサービスだと喜んでいただけますが、しかし、 実際のところ、初回1,500円で来店した人が、2回目に6.000円を払ってリピートするでしょうか?

 

私だったら、60分1,500円は安過ぎて、怪しいので最初から行きません。

 

その激安ヘッドマッサージを選んで来店するようなお客様が、次回から定価の6,000円を支払ってくれるでしょうか?

 

リピーターになってくれる確率は、かなり低くなるでしょう。

 

リピートしてもらうためには

サロンのリピーター獲得方法

 

次回価格との価格差が大きいほど、リピートのハードルが高くなるのは想像がつきます。

 

では次に来てもらう為には、どうすればよいでしょう?

 

1回目が1,500円というのがそもそも間違いですが、仮に、例えばですが、少しずつ段階的にお値段を上げていく方法はどうでしょう?

 

2回目➡3,000円  3回目➡4,500円  4回目➡6,000円

 

う~ん(汗)来てくれるでしょうか??

 

一般的には、何度か通うことで ポイントが貯まり、お得なになるのがサービスです。

 

しかし、この方法では、まったく逆の現象となってるため、私はおすすめしません。

 

 

それでは、回数券を販売する方法はどうでしょう。

60分コース ○○○円×○回分=○○○○円を考えましょう。

 

初回、60分1,500円で来てくれた人が、次回、納得して支払える料金はいくらなのでしょうか?

 

想像してみます。

 

シミュレーション(施術後のトークにて)

 

① 「お得な回数券はいかがですか? 60分3,980円×3回分=11,940円となります。・・・」

 

苦笑いされて終わりそうですね。

 

では、さらに続けて・・・

 

② 「今なら、40分コースの回数券もございますよ!40分3,240円×3回分=9,720円となります。40分コースでしたら、1万円をきるのでお買い求めやすくなっております。」

 

あえて、1度、高めのものを提案してから次にお得な提案をすることで少しはハードルが下がった感覚になります。

 

これで多少はリピーター獲得になると思います。(たぶんです)

 

この場合の「時間単価」を計算します。

 

60分×3回=180分 11,940円÷180分=66,3円

 

40分×3回=120分 9,720円÷120分=81円

 

※1分単価です。

 

時間単価は、40分コースのほうが、1分あたり、プラス14.7円で約22%アップしています。

 

結果として、40分コースをたくさん売っていくしかないようです。

 

1分で考えると小さい額ですが月商が22%アップすると大きいですね。

 

ちりも積もれば・・・

 

ここで、「あれっ? 」と疑問を感じた人は立派です。

 

小さなサロンの価格設定

サロンの価格設定

 

前述の激安ヘッドマッサージ店のシミュレーションですと、60分コースより、40分コースのほうが単価が高いが、コースが短い分、客数を増やさないといけない。

 

来客数が増えることでインターバルが増えるのでロスタイムが多くなる・・・。

 

そこで、ありがちなのは、インターバルが増える分、営業時間を延ばす、いわゆる長時間労働になります。

 

結局、施術の時間単価は上がったけど、自分の労働時給は下がる可能性が高くなります。

 

以前、他の卒業生さんで「売上が伸びました~!」と喜んでいた卒業生がいましたがよく聞くと、22時閉店を朝5時に延長していました。

 

そりゃ、売上げ伸びますよね。なんだか、辛くなってきました。

自分のサロン開業当初を思い出します。

 

翌月の家賃が払えない状況になり、常連さんに回数券を売ることでやりくりしていた時のことを思い出すと涙が出そうです(笑)

 

私が当時の頭ほぐし専門店atamaの従業員なら、即辞めます。

 

値下げしなくても、お客様が来てくれる、知識技術のノウハウが学べるサロンで誇り高く、プライドを持って勤務したいです。

 

安売り戦略は、すぐに実践できますが、そこから抜け出すのは大変です。

 

セラピスト1人のサロンでは、「ちりも積もれば」という発想は、貧乏暇なしです。

 

あなたは、「ちりを集める経営」をしたいですか?それが、あなたの美徳なら仕方がありません。

 

薄利多売は大手チェーン店に譲ってあげてください。当協会のヘッドマッサージ資格を持っている人はプライドを持ってください。

 

小さいサロンの価格設定は、時間単価、労働時給も計算して決めましょう!

 

 

追伸1

お客様のことを「ちり」扱いするのは大変失礼です。

 

 

追伸2

60分1500円→6000円にするのは現実的ではないので、考えるのに疲れました。もっと早くに相談してくれたら良かったのに。

 

 

記事作成日

2018年4月10日

 

修正

2023年6月24日

 

 

記事作成者(ヘッドマッサージの専門家)

 

スクール代表・協会理事長

江口征次

 

ヘッドマッサージ(ドライヘッドスパ)の専門家ブログ

 

株式会社ヘッドクリック 代表取締役

一般社団法人日本ヘッドセラピスト認定協会 理事長

ヘッドライフ 代表管理人

頭ほぐし専門店atama代表

ヘッドスパ専門店atama代表

ハンド、腸セラピー、リンパ等のセラピスト協会 理事長

業務用ヘッドマッサージオイル・施術用枕の販売責任者

 

【登録商標】

・頭ほぐし専門店atama 登録5576269

・頭ほぐし整体院 登録5977517

・骨相セラピー 登録5790990

 

ヘッドライフ通信の登録
ヘッドマッサージ講座・14周年
セラピスト向け動画学習
ヘッドライフのインスタ
ドライヘッドスパ 動画
日本ヘッドセラピスト認定協会(外部リンク)

【登録商標】

頭ほぐし専門店atama

登録5576269

頭ほぐし整体院

登録5977517

骨相セラピー  

登録5790990